下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤は自然に治癒するものではありません。状態が悪化する生活に支障を来す可能性があるので、適切な治療や予防方法、ケアの方法など、正しい知識を身につけて、この疾患を早く快方するようにしましょう。

予防と対策

運動とマッサージ

運動(筋ポンプ運動)

足のふくらはぎの筋肉は第2の心臓といわれ、ふくらはぎの筋肉が収縮すると弛緩(しかん)を繰り返すことで静脈の血液を心臓に向けて運ぶ役割を果たしています。

このことを「筋ポンプ作用」と呼びます (図(A)(B)の繰り返し)。
筋ポンプ作用が弱い状態(筋肉の伸び縮みがない状態)にあると、血液が心臓方向に戻ることができず滞り血流が悪くなります(図(B)の状態)。
したがって、軽い運動やウォーキングを行い、筋ポンプ作用を高めると良いでしょう。

図1
筋ポンプ体操のやり方
  1. 椅子にすわって両足をあげ、足首をまげたり伸ばしたりします。
    はじめはゆっくり、徐々に速くしていき、30~60秒続けましょう。
    これを一日数回行う事をお勧めします。

  2. 足首をのばし、バタ足のようにして左右交互に上下に振ります。
    30~60秒続け、最後に足全体に力をこめて一気に力をぬきます。

    図2

    また足の指を曲げたり・開いたり、足首を前後左右に振るストレッチも効果的です

扁平足の方は足底筋を鍛えるストレッチをお勧めします。
  1. タオルを床に置き、足の指でたぐり寄せる運動です。
  2. 足の裏を刺激する、ゴルフボールを足の裏で転がす・青竹踏みもお勧めです。
  3. 上記(図3)の足指を広げる運動も効果的です。
マッサージ

足首から膝に向かってゆっくりと押し上げていくようにしてマッサージするとよいでしょう。
ただし、血管が浮き出ている場合は、その部分は避けて行ってください。
また、痛みが出る場合などは、下肢静脈瘤専門クリニックなどにご相談ください。